この記事でわかること
・支持線(サポートライン)と抵抗線(レジスタンスライン)の意味と、なぜ機能するのか
・水平線の引き方の基本(ヒゲに引くか実体に引くか、複数回反発した価格を優先する理由)
・ロールリバーサル(支持と抵抗の入れ替わり)と、ブレイク/ダマシの見分け方
この記事に出てくる用語:抵抗線/支持線/ダマシ
支持線・抵抗線の引き方は、テクニカル分析の中でも最初に身につけたい基本スキルです。インジケーターを何も表示しなくても、水平線を1本引くだけでチャートの見え方は大きく変わります。今回は、線を引いたことがないアゲハと一緒に、サポートとレジスタンスの基本から実戦での注意点まで学んでいきましょう。
アゲハサチ先生。チャートに横線を引いてる人をよく見るけど、あれ何の意味があるの?
サチ先生あれが今日のテーマ、支持線と抵抗線ですね。株価が「よく止まる価格」「よく跳ね返される価格」に引く水平線のことです。値動きという川の中にある「床」と「天井」を見つける作業だと思ってください。床と天井が分かれば、どこで買ってどこで売るかの目安が立てやすくなります。
支持線(サポート)と抵抗線(レジスタンス)とは
まず言葉の整理からです。
- 支持線(サポートライン): 株価が下がってきたときに下げ止まりやすい価格に引く水平線。下から支える「床」の役割
- 抵抗線(レジスタンスライン): 株価が上がってきたときに跳ね返されやすい価格に引く水平線。上から押さえる「天井」の役割
アゲハでも、ただの横線でしょ。なんでそんな線で株価が止まるの?
サチ先生線そのものに魔法があるわけではなく、その価格を意識している人がたくさんいるから機能する、と考えられています。たとえば1,000円で何度も下げ止まった株があるとします。「また1,000円まで下がったら買おう」と待っている人、「1,000円で買って含み損だったけれど、戻ってきたら売ろう」と考えている人。そういう注文が同じ価格に集まるので、そこで値動きが止まりやすくなるんですね。バーゲンセールの「この値段なら買い」と皆が覚えている価格のようなものです。
アゲハなるほど、みんなが見てるから効くのか。じゃあ誰も見てない価格に線を引いても意味ないってこと?
サチ先生そのとおりです。ですから線を引くときは「多くの人が意識していそうな価格はどこか」を探していきます。過去に何度も反発した価格、直近の高値・安値、キリのいい価格(1,000円、5,000円など)は意識されやすい代表例ですね。
ここまでの内容を、実際のチャートで練習できます(無料・登録不要)
もみ合いからのブレイクのシナリオで練習する →水平線の引き方(1)ヒゲか実体か
実際に線を引こうとすると、最初に迷うのがこの問題です。ローソク足には実体(始値と終値の範囲)とヒゲ(一時的に付けた高値・安値)があり、どちらに合わせるかで線の位置が変わります。
| 合わせる場所 |
その価格の意味 |
線の位置 |
向いている使い方 |
注意 |
| 実体(始値・終値) |
攻防が終わって落ち着いた値段 |
やや内側 |
多くの人が納得した水準を見たいとき |
一瞬の行き過ぎは映らない |
| ヒゲの先 |
一瞬だけ試された限界の値段 |
やや外側 |
どこまで試されたかを見たいとき |
1本のヒゲに引っ張られやすい |
どちらかが正解というものではありません。 迷ったらまず実体を基準に引き、ヒゲの先も薄く意識しておく使い方をする人が多いとされています。
アゲハやってみたら早速つまずいたんだけど。ヒゲの先に合わせるのか、実体の端に合わせるのか、どっちが正解?
サチ先生実は「絶対の正解」はありません。ヒゲ派も実体派もいます。ただ、考え方は整理できますね。1つずつ見ていきましょう。ヒゲは「一瞬だけ付けた値段」、実体は「その期間の攻防が終わって落ち着いた値段」。ですから実体に引くと多くの人が納得して取引した価格、ヒゲに引くと限界まで試された価格が分かります。迷ったら、まず実体を基準に引いて、ヒゲの先も薄く意識しておく、という使い方をする人が多いです。
アゲハ1円単位でピッタリ合わせないとダメ? ローソク足によって微妙にズレるんだけど。
サチ先生それも大事なところですね。支持線・抵抗線は1本の細い線というより、幅のある「ゾーン(帯)」として捉えるほうが実戦的です。駅の集合場所を「改札の柱の右から30cm」なんて指定しませんよね。「改札前あたり」でみんな集まれます。それと同じで、だいたいこの価格帯で止まりやすいと捉えておけば十分だと思いますよ。

水平線の引き方(2)複数回反発した価格を優先する
もう1つの大原則が、反発した回数が多い価格ほど強い線になるということです。

上のチャートでは、株価が上下の線の間で何度も往復しています。このように同じ価格帯で2回、3回と反発している場所こそ、水平線を引く価値のあるポイントです。
アゲハ1回だけ反発した価格じゃダメなの?
サチ先生1回だけだと偶然かもしれませんからね。橋の強度試験と同じで、1回耐えた橋より3回耐えた橋のほうが信頼できます。反発回数が増えるほど「この価格は市場参加者に意識されている」という裏づけが積み上がる、という考え方です。線を引く優先順位は、①反発回数が多い価格、②直近の高値・安値、③キリのいい価格、という順で考えると迷いにくいですね。

アゲハ気になったところ全部に線を引いてたら、チャートが線だらけになったんだけど。
サチ先生よくあることですね。線が多すぎると、どの線も信じられなくなって逆効果です。1つのチャートに引くのは2〜4本までに絞りましょう。「この線が破られたら見方を変える」と言い切れる、根拠の強い線だけを残していきます。
ロールリバーサル:支持と抵抗は入れ替わる
支持線・抵抗線には、知っていると見え方が一段変わる重要な性質があります。それがロールリバーサル(役割転換)です。
アゲハロールリバーサル……? 役割が逆になるってこと?
サチ先生そうです。抵抗線を上に抜けると、その線は今度は支持線として機能しやすくなる(逆も同じ)という性質ですね。ずっと跳ね返されていた「天井」を突き破って上の階に上がると、さきほどまでの天井が今度は「床」になるイメージです。

アゲハなんでそんな入れ替わりが起きるの?
サチ先生これも人間の心理で説明できそうです。抵抗線の手前で売ってしまった人は、株価が上に抜けると「しまった、戻ってきたら買い直そう」と考えます。抜けた後に買った人は「元の線まで押したら買い増そう」と待ち構える。つまり元の抵抗線の価格に買い注文が集まるので、そこが支えになりやすい、という説明ですね。ブレイク後に元の線まで戻ってくる動きを「リターンムーブ」とか「押し目」と呼んで、ここを買い場の候補と見る人が多いです。もちろん必ず支えられるわけではありませんから、外れたときの損切りとセットで考えるのが前提になります。
ブレイクとダマシ:線を抜けたときの注意点
支持線・抵抗線は永遠には守られません。いつかは破られ、株価が線の外へ抜けます。これがブレイク(ブレイクアウト)です。ただし、ここに初心者最大の落とし穴があります。

アゲハうわ、線を抜けたと思ったら、すぐ戻って下がってるじゃん。これで買ってたら含み損でしょ。
サチ先生これが「ダマシ」(ダマシブレイク)ですね。線を抜けたように見えて、実は勢いが続かず元の範囲に戻ってしまう動きです。ブレイクを狙う手法は、当たれば大きな値動きに乗れる反面、ダマシに引っかかると高値掴みになるリスクが常にあります。ここを知らずに飛びつくと痛い目にあいやすいところです。
アゲハ本物のブレイクとダマシって、見分けられるものなの?
サチ先生100%の見分け方は分かっていません。ただ、判断材料はいくつかありますね。1つずつ確かめましょう。①終値で抜けたか——ヒゲだけ飛び出して終値が線の内側なら疑わしい。②出来高が増えているか——大勢が参加したブレイクほど本物になりやすいとされます。③抜けた後に線の外で値を保てているか——さきほどお話ししたロールリバーサルが起きれば、本物の可能性が高まると見る人が多いです。飛びつかずに1本待つ、リターンムーブを待つ、という工夫でダマシの被害を減らせますが、それでも外れるときは外れます。ですから損切りラインを先に決めてからエントリーするのが大前提になります。
練習で「自分の線」を引けるようになろう
支持線・抵抗線は、記事を読んだだけでは身につきません。実際のチャートで自分で線を引き、その線が機能するかを確かめる反復練習が上達の近道です。
アゲハ線の引き方は分かった気がするけど、本番のチャートで急に引ける自信はないんだけど。
サチ先生それが普通だと思いますよ。おすすめは、過去チャートを未来が見えない状態でリプレイしながら練習すること。「ここが支持線だ」と仮説を立てて仮想売買し、実際に反発するか・ブレイクするか・ダマシになるかを答え合わせします。自転車の練習と同じで、転んでも痛くない環境で数をこなすのが近道ですね。
当サイトの練習コースでは、レンジ相場での反発やダマシブレイクの場面を、過去チャートのリプレイで仮想売買しながら体験できます。線を引く目を鍛えたい人は、攻略ガイドで各パターンの狙い方も確認してみてください。
まとめ
- 支持線は下げ止まりやすい「床」、抵抗線は跳ね返されやすい「天井」。多くの人が意識する価格だから機能する
- 線はヒゲ・実体どちらに引くかより、幅のあるゾーンとして捉えるのが実戦的
- 複数回反発した価格ほど信頼度が高い。1チャートに引く線は2〜4本に絞る
- 抵抗線を抜けると支持線に変わるロールリバーサル。リターンムーブは注目ポイント
- ブレイクにはダマシがつきもの。終値・出来高・抜けた後の値持ちで確認し、損切りを決めてから入る
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